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007 ダイヤモンドは永遠に』(ぜろぜろせぶん[2] だいやもんどはえいえんに、Diamonds Are Forever)は1956年に出版されたイアン・フレミングの長編小説ジェームズ・ボンドシリーズ第4作)。また1971年公開の、ガイ・ハミルトン監督のスパイアクション映画007シリーズ映画化第7作。

小説 編集

イアン・フレミングの小説007シリーズ長編第4作。1956年、ジョナサン・ケープ社より出版された。

ストーリー 編集

イギリス秘密情報部員007ことジェームズ・ボンドは、上司Mよりダイヤモンド密輸ルートの解明を命ぜられる。

ボンドは運び屋のピーター・フランクスにすり替わって、監視役の女ティファニー・ケイスの手引きでニューヨークへダイヤを運び、そこで中央情報局(CIA)を退職してピンカートン探偵社に勤める旧友のフェリックス・ライターと再会する。

密輸ルートを仕切っていたのは、アメリカギャングスパングルド組で、ボンドはライターの協力を得ながらラスベガスまで調査を進め、組織の謎の首魁ABCの正体を突き止める。

ボンドは寝返ったティファニーとクイーン・エリザベス号でアメリカから脱出し、船上で組織の殺し屋ウィントとキッドを返り討ちにすると、フランス領ギニアでABCを葬り密輸ルートを壊滅させる。

出版 編集


映画 編集

ショーン・コネリー主演作としては6作目で、彼はいったんボンドを降りるが、1983年に1回だけ復帰している[3]

スタッフ 編集

キャスト 編集

ストーリー 編集

長年追っていたブロフェルドをついに倒した(と思いこんだ、実際はブロフェルドの影武者)ボンドは、Mからダイヤモンド密輸事件の調査の任務を与えられ、密輸組織の一員であるティファニー・ケイスと接触する。ボンドは事件を調査していくうちに、恐怖の陰謀と凶悪な黒幕に挑むこととなる。

興行成績 編集

本作は1971年の映画の世界興行成績で、第1位を記録した[4]。これは、『ゴールドフィンガー』以来4作ぶりのことであった。日本では、1972年の外国映画の興行成績で『ゴッドファーザー』に次ぐ第2位であった。

キャラクター、キャストなど 編集

  • ショーン・コネリーのボンド復帰作であり、ボンド卒業作である(ただし、後に番外編の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』で、もう一度ボンドを演じている)。
  • ジョージ・レーゼンビー主演の前作『女王陛下の007』が(007シリーズとしては)不振だったため、テレビ版でバットマンを演じたアダム・ウエストや、『サイコ』に出演したジョン・ギャビンがボンド役にオファーされた。ギャビンは契約まで交わしていたが、コネリーの復帰が決まり出演料をもらって降板した。ロバート・ワグナーもプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリから非公式にオファーされていたが、ボンドはイギリス人であるべきで、自分はアメリカ人過ぎるという理由で断り、ロジャー・ムーアを推薦した。
  • コネリー復帰のために破格の出演料が払われたが、彼はその全額をスコットランド国際教育基金に寄付した。もう一つの条件として、ユナイテッド・アーティスツがコネリーの望む作品2本の製作費を提供することが提示され、それにより製作されたのが『怒りの刑事』であった。
  • この作品でブロフェルドを演じたチャールズ・グレイは、『007は二度死ぬ』ではボンドの協力者ヘンダーソンを演じている。007シリーズ中、二つの映画で異なる脇役を演じた俳優は他にもいるが、善玉と悪玉を演じ分けたのはこのグレイと『リビング・デイライツ』のジョー・ドン・ベイカーのみ。なお、原作は第4作にあたりブロフェルドはまだ登場せず、ボンドの敵はアメリカのギャング団スパングルド一味と、謎の黒幕ABCである。
  • 2005年にカニエ・ウェストがこの映画の主題歌をサンプリングした「Diamonds」(ダイヤモンドは永遠に)を発表した。
  • ラスベガスのホテルのペントハウスにこもり姿を見せない実業家、ウィラード・ホワイトのモデルは、同地にあったデザート・イン(現在は廃業)の最上階に閉じこもっていたハワード・ヒューズである。ホワイトを演じたジミー・ディーンの本職はカントリー歌手で、デザート・インでレギュラーのショーを行っていた。自分がホワイトを演じるのをヒューズが怒らないか、不安だったという。
  • サミー・デイヴィスJr.が歌うシーンも撮影されたが、本編ではカットされた。代わりに、ボンドが見た雑誌に写真が載っているのが写されている。
  • ホワイトの研究所に登場する、Gセクションのクラウス・ハーゲルシャイナーを演じているのは、テレビシリーズ『謎の円盤UFO』でストレイカー司令官役だったエド・ビショップ。『007は二度死ぬ』冒頭の宇宙飛行士役に続く出演である。
  • Mの秘書マニーペニーが、税関職員に化けてボンドに協力。本作では、Mと一緒の登場場面はない。
  • CIAフェリックス・ライターは、原作では第2作『死ぬのは奴らだ』で、ミスター・ビッグによってサメの餌食にされ、右手と左脚を食いちぎられる。第4作にあたる本作では、義手・義足をつけて登場し、その後CIAを退職してピンカートン探偵社に就職したことが語られる。映画では製作順序の違いから、それらの設定は採用されていない。本作で4代目ライターを演じたのは、アメリカの俳優ノーマン・バートン。テレビドラマの出演が多く、『ワンダーウーマン』のジョー・アトキンソン部長役などで知られている。

秘密兵器など 編集

  • ボンドカーとしてムスタング・マッハ1が使用されたが、ティファニー・ケイスの車であり、一般車両のため、一切特殊装備は備えていない。路地に片輪走行で進入するシーンと脱出するシーンの撮影で、車の傾いている向きが逆になってしまい、途中で回転するショットを挟むという苦肉の策が取られた。
  • 月面車。ボンドは、潜入したホワイトの研究所にあったものを奪って砂漠を逃走した。本作の公開された1971年、アポロ15号の月面での活動で、実際に月面車が使用された。
  • この月面車とのチェイスで、ホンダの三輪バギー、US90が使用された。ボンドも一台を奪って乗り回している。
  • Qの研究室にアストンマーチン・DBSが置かれていたが、特殊装備は披露されず本筋にも登場しない。その側で部下が上から吊るされた多数のミサイルを操作していたが、これも用途や車との関係は不明。
  • ティファニーのアムステルダムのアパートのクローゼットの奥には、指紋比較用映写機がある。密輸業者ピーター・フランクスに化けたボンドがグラスに残した指紋をインスタント写真に撮り、それをこの機械に挿入すると、スクリーンにサンプルと対比して映し出される仕組み。
  • ボンドはQの作った偽の指紋を指に貼り付け、この身元チェックをすり抜けた。Qの兵器を粗末に扱うボンドもこれには「脱帽だよ、大成功だ」と賛辞を送っている。
  • ボンドはホワイトのペントハウスに侵入するのに、ワイヤーを発射する銃を使用。
  • 電話の音声変換装置。声を別人のものに変換してブロフェルドを欺く。元もとは、Qが前年のクリスマスに子供に作ってやったもの。
  • エレクトロマグネティック・RPM・コントローラー。指輪に仕掛けられていて、Qはこれを使ってスロットマシンでジャックポットを連発した。
  • 銃を取り上げようとボンドのタキシードに入れた敵の手にスチール製のバネ仕掛けの罠が噛み付く。ハンドパンチャーと呼ばれる。

主題歌 編集

シャーリー・バッシーが2度目の起用となり、同タイトル曲を歌っている。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位27位、アメリカの「ビルボード」誌では、最高位57位を獲得している。同サウンドトラック・アルバムは、「ビルボード」誌アルバム・チャートで、最高位74位を獲得している。また、カニエ・ウェストは、シャーリー・バッシーの歌うこの主題歌をサンプリングした“ダイアモンズ”を2005年にヒットさせている。 ゴールドフィンガーに続くシャーリー・バッシーの起用について、ガイ・ハミルトンは「僕は個人的に彼女の大ファンなので」とインタビューで答えている。

その他 編集

  • ボンドはソレラのシェリーをダイヤの専門家ドナルド卿に出され、ベースになったワインの年代を当ててみせる。
  • ボンドはP&Oホバークラフトドーバー海峡を渡る。
  • アムステルダムで運河を見下ろすウィントとキッドが立っているのは、観光名所のスキニー橋(Magere Brug)である。
  • このときキッドが持っているニコンのカメラは、ニコンF
  • ティファニーの名の由来は、母親がニューヨークのティファニーの前で産気づいたからだが、これを聞いたボンドはヴァンクリーフ&アーペル(パリの宝石店)でなくてよかったという冗談を言う。
  • ボンドは、なりすましていたピーター・フランクスの本物が現れ、これと格闘して殺害し、札入れを自分ものとすり替える。この中に入っていたのは、ボンドのプレイボーイクラブ(雑誌PLAYBOYの出版元が経営するクラブ)の会員証。
  • プレンティはプールで水死してしまうが、プレンティー役のラナ・ウッドの姉のナタリー・ウッドは10年後の1981年11月29日に実際に水死している。
  • ルフトハンザとのタイアップで、ボンドは同社の旅客機でロサンゼルスに移動する。
  • ホワイトのホテル「ホワイトハウス」の外観は、ラスベガス・ヒルトン。ペントハウス直通エレベーターの外観は、ランドマーク・ホテル(現在は廃業)で撮影された。
  • ティファニーがぬいぐるみを受け取るシーンは、サーカス・サーカスでの撮影。
  • ホワイトの研究所の外観は、ベガス近郊のジョン・マンビル社の石膏工場で撮影された。余談だが、同社は世界最大規模でアスベスト使用製品を生産していたために、訴訟を受け1982年に倒産した。
  • ムスタング・マッハ1のカーチェイスは、フリーモントストリート界隈で行われた。当時はラスベガスの中心地で、有名なフリーモントエクスペリエンスが登場するのは、ずっと後のことである。
  • その他にも、ラスベガス内のホテルやカジノ、マッカラン国際空港などでロケが行われた。
  • ウィントとキッドが客船内でボンドたちの部屋に運んで来たワインは、ムートン・ロートシルトの1955年もの。
  • 原作のフェリックス・ライターは、スチュードベイカーにキャディラックのエンジンを載せた「スチュディラック」と称する車に乗っている。
  • 原作でボンドとティファニーが乗った客船は、クイーン・エリザベス号である。この船は1972年に香港で炎上し、その残骸が映画版『黄金銃を持つ男』に意外な形で登場する。
  • 少々喜劇的な描写があるため、当時でも評判はけして良くはなかったテンプレート:誰

日本語吹替 編集

役名 俳優 TBS版(旧録版) TBS版(新録版) DVD新録版
ボンド ショーン・コネリー 若山弦蔵 内海賢二 若山弦蔵
ブロフェルド チャールズ・グレイ 内田稔 小林修 佐々木梅治
ティファニー ジル・セント・ジョン 武藤礼子 沢田敏子 岡寛恵
M バーナード・リー 今西正男 石森達幸 藤本譲
マニーペニー ロイス・マクスウェル 花形恵子 泉裕子
Q デスモンド・リュウェリン 田中康郎 中庸助 白熊寛嗣
ホワイト ジミー・ディーン 日高晤郎 麦人 青山穣
プレンティ ラナ・ウッド 有馬瑞香 さとうあい 中尾真紀子
ライター ノーマン・バートン 石井敏郎
バンビ ローラ・ラースン
ザンパー トリナ・パークス 高島雅羅
担当 - 上田正人、台詞 - 木原たけし、演出 - 佐藤敏夫、日本語版制作 - 東北新社、TBS
翻訳 - 木原たけし、演出 - 小山悟、日本語版制作 - 東北新社、TBS
  • DVD新録版 - 2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション
翻訳 - 平田勝茂

注・参照 編集

  1. allcinema, All Movie Guide, IMDbはイギリス、キネマ旬報DBはアメリカとしている。
  2. 日本でも「ダブルオーセブン」と言うようになったのは第8作『007 死ぬのは奴らだ』から
  3. ショーン・コネリーは後に、彼自身が版権を取得していた『007 サンダーボール作戦』のリメイク版、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983年公開)でボンド役を再び演じている。また2005年に発売された『007 ロシアより愛をこめて』を元にしたテレビゲームでは声の出演をしている。
  4. List of highest-grossing films(ウィキペディア英語版)

関連項目 編集